Disney+がしばらく無料で視聴できるのと、「涙の女王」の後でもありちょっと複雑そうな時代劇もいいかなと思ってこのドラマを見てみた。
一言でいうと、どうしてそういう思考になるのか?考えていることが複雑すぎてわかりにくかった。もう1回、いや2、3回じっくり見れば面白さもわかるかもしれないが・・・ いろんなところでもう少し説明があればもっと楽しめたかもしれないと思ったドラマだった。
左議政パク・ゲウォン(チャン・ヒョク)は、朝廷を掌握し更には王権さえも牛耳り、暴君ではなく新たに聖君を育てることを考えている。しかし今までやってきたことを見れば、いくら「聖君」を立てても、反対する意見や派閥が出てきたら抑えつけたり排除したり思い通りにやるのだろうから、そうして守られた「聖君」では結局独裁政治と同じじゃないかと思ったりした。いろんな意見を聞いてまとめていってこそ聖君なのだから。
ゲウォンにとって大妃(パク・チヨン)も妻(ソ・ユジョン)も同志であり一つの駒だったのだろうか・・・?それではあまりにも大妃が不憫ではないかと思いながらも、大妃への気持ちを垣間見ることができる演技で、チャン・ヒョクはさすがだった。
ゲウォンにより廃王とされた父のため、そして王権を取り戻そうとする王イ・テ。(イ・ジュン)考えてみればイ・テは恨みを晴らすため王権復活のため誰一人頼る人もいない王宮で頑張ってはいるのだけど、そうなったのは全てゲウォンのせいでちょっと可哀想なところはある。
そんな環境で育ってきたのだから、やはり愛する人であり唯一頼れる人であったユ・ジョン(カン・ハンナ)の存在は大きかっただろう。しかし一方でユ・ジョンの存在がイ・テを脅かしユ・ジョンも命を守るために王妃という選択をするのだが、愛する者同士が権力抗争に巻き込まれて複雑な関係に。ユジョンの取った最善の方法が「最愛の敵」だったのだろう。
このドラマではやはりチャン・ヒョクが圧倒的な演技だった。王役のイ・ジュンも影というか複雑なところを好演していたのは良かった。ユ・ジョン役のカン・ハンナは、強くて賢い女性がぴったりで、こういう完璧な役は大好きだ。久しぶりに見たイ・テリも真っ直ぐな役柄がぴったりだった。
良かったのは、映像がすばらしく美しかったこと。衣装がゴージャスというかずいぶん丁寧に作られたものだと感心した。王宮での映像が行灯の明かりのみでより重厚感があったこと。建具や小物も素敵で、今までで見た時代劇の中では最高だと思った。