2014年に起こったセウォル号沈没事故で息子を失った夫婦の喪失感、愛情を描いている。息子スホがいなくなって初めて迎える誕生日が母親スンナム(チョン・ドヨン)にはスホがいない現実を認めるようで恐くてたまらない。一方父ジョンイル(ソル・ギョング)は息子が亡くなった日に父親として夫としての役目を果たせなかったことに罪悪感を抱いていた・・・。
子を突然失った悲しみや喪失感は想像もできない。ましてや父親が仕事で留守の間は母親は息子のことを頼りにして、息子もその期待に添えるように母親を気遣うというかなり濃い関係だったので余計だったと思う。
喪失感や後悔に苛まれて一人苦しむスンナムが見ていて辛い。
そして、家に帰ってきてスンナムに寄り添い力になろうと努力するジョンイルだが、スンナムに受け入れられないのが悲しい。
遺族の中には、遺族同士で交流する人、子どもたちの教室を残してほしい(記憶が曖昧ですが)と運動する人もいるのに、スンナムはどんなふうに立ち直ってくれるのだろうと気をもみながら見ていると・・・
悲しみや息子の思い出を共有してくれる人たちがいて、スンナム、ジョンイル夫婦の生のきっかけとなった。スンナムの心のシコリが溶けていくようで涙を誘う。
ジョンイルの愛情はもちろんだが、やはり人は周りの人に支えられながら関わり合いながら生きていくと痛感させられた。